研究データ

・フコイダンの抗アレルギー作用の解明と用途開発
(広島大学大学院医歯薬学総合研究科、広島大学医学部付属病院皮膚科、広島大学自然科学研究支援開発センター、鳥取大学農学部獣医内科(イヌの抗アレルギー性皮膚炎)、(財)ひろしま産業機構、湧永製薬株式会社、タングルウッド株式会社)
市販試薬フコイダンでは細胞毒性が認められたが、タングルウッド社製のフコイダンには細胞毒性がほとんどなく、且つ比較的強いIgE産生抑制効果があることがわかった。
マウスおよびヒト末梢血リンパ球を用いた研究では、アトピー性皮膚炎など抗アレルギー効果が認められた。
フコイダンのアトピー発症予防、抗アレルギー作用についてヒト末梢血B細胞からIgE産生抑制が確認された。

・フコイダンの花粉症に対する予防効果
(広島大学大学院病院耳鼻咽喉科頭頸部外科、皮膚科学、タングルウッド株式会社)
健常人の血液から単核球を分離し、IL-4 100/ml、CD40抗体20㎍/ml、トンガ産フコイダンを加え、10日間培養後、ELISA法により培地中のIgE濃度を測定した。その結果、フコイダンがIgE上昇を抑制した。

・イヌのアレルギー性皮膚炎におけるフコイダン製剤の改善効果に関する研究
(鳥取大学農学部付属病院、かも動物病院、うえおか動物病院、小田動物病院、広島大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学、タングルウッド株式会社)
アレルギー性皮膚炎を罹患するとされるイヌに対し、フコイダン100㎎/kg/dayを朝夕2回食餌の際に、6週間投与した。その結果、皮膚炎の領域と状態が改善し、痒みの程度、掻く場所が減少した例が半数あった。また嗜好性、食欲、元気、嘔吐などの問題は全く認められなかった。一般血液検査、所見および血液生化学検査においては著変は見られなかった。以上のことからフコイダンの投与はアトピー性皮膚炎もしくはアレルギー性皮膚炎に対して改善を示す傾向はあると思われる。

・Fucoidanによるin vitroでの抗腫瘍効果と作用機序について
(福岡大学薬学部、タングルウッド株式会社)
・G361細胞株:24、48時間において細胞増殖は濃度依存的に有意に抑制された。(黒色癌細胞抑制効果)
・KG-1細胞株:48、72時間において細胞増殖は濃度依存的に有意に抑制された。(急性骨髄性白血病)
・Colon26細胞株:48、72時間において細胞増殖は濃度依存的に有意に抑制された。(大腸ガン)

・中性脂肪低下作用(ラット)
中性脂肪(TG)低下作用を主目的に、糖尿病ラットを用いて精製フコイダンを各ラットへ(*体重当り5、10、20mg/kgを3週間連日経口摂取させた。その結果を次に表に示す。)

*研究会調べ

5mg/kgの投与量で39%の低下を、20mgのそれで47%の低下を認めた。これを人(50kg)に換算すると250mg~1000mgであり、ラットでの実験系がⅡ型糖尿病であることを考慮すると、若干中性脂肪が高い人での摂取量は100~200mg/日で十分予防効果が期待できると考えられる。さらに治癒目的で摂取する場合には1000mg/日の摂取を推進する。なおヒトでの試験も行ったが、20㎎/kg投与で中性脂肪が平均31%、血糖値15%低下した。

・抗動脈硬化及び抗糖尿病作用(ラット)
Ⅱ型糖尿病ラットを用いて各フコイダンをラットへ体重当り5mg/kgを3週間連日経口摂取させた。投与前後でLPL活性を測定し、その結果を次の表に示す。

*研究会調べ

トンガ産フコイダンと昆布由来フコイダンのLPL活性は同等で有り、抗動脈硬化や抗糖尿病効果及び抗高血圧(抗エンドセリン)目的でフコイダンを利用するのであれば、何れを用いても良いと考えられる。

・抗痛風作用(ラット)
トンガ産フコイダンをSDラット雄4週令に各0、10、50、100mg/day摂取するように飲料水に混合し、自由摂取させた。1週間後オキソ酸カリウムを皮下に注射する事で高尿酸血症を誘導させ10時間後に採血を行い血清中の尿酸値を測定した。

*研究会調べ

トンガ産フコイダンを投与しなかった時の血清尿酸値の割合を100としたとき、トンガ産フコイダンを1日1匹当たり10、50、100mg摂取することでその割合を9.5、17.6及び31.8%と有意に低下した。この結果からトンガ産フコイダンを摂取することで痛風の予防・治療が可能である。

・細胞賦活活性
WST-1評価法を用いてヒト線維芽細胞に対して、トンガ産フコイダン1%はヒアルロン酸Naとの比較において顕著な優勢が認められた。

*研究会調べ

・抗酸化活性
同一濃度のヒアルロン酸と消去酸素実験をしたところ、ヒアルロン酸に比べトンガ産フコイダンが約6倍程度の抗酸化作用が確認された。

*研究会調べ

・短期保湿効果
女性2名(平均35.4歳)、男性3名(26~58歳)を対象に常温定湿下、皮膚における保湿値を測定した。15分後にはトンガ産フコイダン1%水溶液の値は、水に比べ約2倍の皮膚における保湿値が確認され、その後水の保湿値は測定開始時の値に低下する反面、トンガ産フコイダン1%水溶液の値は保湿を保ったままとなった。

・保湿効果
男性(36歳)を対象に常温定湿下、ヒアルロン酸Na1%水溶液と時間経過における保湿効果の比較を行った。
開始後約10分で一時はトンガ産フコイダン1%水溶液、ヒアルロン酸Na1%水溶液ともに同程度の保湿数値を示したが、その後ヒアルロン酸Na1%水溶液の数値は低下する反面、トンガ産フコイダン1%水溶液の数値は同レベルの値を維持した。

*研究会調べ

・平均分子量と美肌効果の相関
分子量の差異における比較を行ったところ、高分子量のトンガ産フコイダン(分子量1,200千)は、美肌効果の判定要件である保水活性・保湿活性・皮膚弾性への効果が全て顕著に優れていることが認められた。

*研究会調べ